26年夏 末茶藻中ガールズ
~とある一室にて~
霧生涼子「『第5の使徒』を読み上げさせていただきます」
私は今、豪華な王城の中に佇んでいる。視線の向かう先には、美しさで光り輝く姫の姿がある。私はその美しさに自然と跪く。すると続いて私の脳裏に去来するのは幼き日の光景であった。そよ風とともに去来するのは土の匂い、草の匂い。その香りによって私の心は懐かしさに囚われる。田舎道にて、そこにまたその姫の姿を見つける。そこにあるのは先程のような眩しさではなく、どこか安らぎを覚える彼女の微笑みだった。私は彼女の新たな姿に心惹かれる。そのガールズは、美しく佇みながらも差し込む日差しのような暖かさのある、清楚可憐な姫の姿に似ている――
雫「今回のキーワードは姫だ。ファンタジーアニメを中心に掘りながらガールズを探すぜ」
みやび「私の知り合いにファンタジーアニメに詳しい人がいるわ。話を聞いてみましょう」
雫「よし! 行こう!」
一青「部屋に閉じこもってしばらくアニメを見ることにする。あとのことは頼む」
セーラ「はい、イッセー」
マキ「全く、一青さんは大丈夫なのかしら?」
~再び、とある一室にて~
雫「今回は俺から行くぜ」
(ガールズのキャプの栓を開ける)
雫「まず見えるのは――幼き日の姫の姿。母親を失って失意の中にある姫は、その姿ですらも可憐な一輪の花のような儚い美しさを持っている。しかし次第にその姿は変化を見せる。そこにあるのは……先ほどとは印象が異なる淫らな衣装の姫の姿!? 光の姫と闇の姫、その鏡合わせの2つが合わさった時に本当の彼女の輪郭が見えてくる――」
雫「……いや、違う。これは『第5の使徒』じゃない」
みやび「雫さん!?」
ロベール「雫よ、そのガールズを発表してみよ」
雫「俺が選んだのは……」
ミレア王女(クレバテス−魔獣の王と赤子と屍の勇者-)
雫「確かに俺が選んだミレア王女は素晴らしい萌えだった。表の顔はもちろん、裏の顔である淫らで奔放な姿が合わさっているのはお得すぎるし、終盤での登場にも関わらず心を掴まれた。でもそこには俺の幼き日の光景があったわけじゃない。幼かった姫の傍らに、俺の姿はなかった」
ロベール「うむ。確かにミレア王女の萌えは素晴らしい。しかしお主は豊多香の言葉を見誤ったようじゃな」
雫(くっ……)
一青「では次は私が」
(ガールズのキャプの栓を開ける)
一青「これは……」
一青「おぉぉぉぉぉぉ……♡」
一青「飛び込んでくるのはあまりにも純粋な萌え。あまりに眩しい萌えの中、自然と跪いてしまうような心地がする。しかしここにある萌えはけして単調なものではない。幼き日の彼女の淡くも切ない初恋の記憶。ただ眩しいだけではなく、複雑なアロマ、力強いアタックによって魅了される。その彼女の時間を私は傍らで追体験している。そして見えるのは……『おにぃ』そして『おにいちゃん』」
ロベール「一青よ。お主が選んだガールズはなんじゃ」
一青「私が選んだのは……」
霧島 姫子(転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件)
一青「『第4の使徒』を、私はあらゆるジャンルのアニメから検討しました。その結果、アニメを見て”今からでもこの妹が自分にもいたことにならないかなぁ”という、そんな感覚を呼び起こすガールズを選んだのです。”清楚可憐”というワードもヒントになりました。この言葉は謎掛けの中にある"姫"だけを表す言葉ではない。姫が生まれたアニメに対する道しるべでもあった」
ロベール「うむ。お主のガールズ選出は豊多香の真意に届いておる。見事じゃ」
雫(最初からファンタジーで探っていた段階で俺の敗因は決定していた。やはり俺と一青ではアニメへの経験値が全く違いすぎる……)
みやび「雫さん……」
マキ「一青さんさすがね! もう私たちの勝ちは揺るぎないわ」
一青「……さて、それはどうでしょうね。ここからますます手強くなると思いますよ」
~後日、再び別の一室にて~
霧生涼子「それでは始めます。『第6の使徒』」
私は暗い闇の中に佇んでいる。私は一体どこへ進めばいいのか、どこへ向かおうとしているのか、それすらもわからない。そんな私の元にやがて小さな光があらわれる。その光は漆黒の闇の中ではあまりにも眩しく、全てを照らすような力強さにあふれている。いつしか闇の中を彷徨っていた私は、その太陽のような光に自身が救われていることに気がつく。その光には、自身を揺るがす恐ろしさすらもあった。そしてそこにあったのは――『愛』であった。そのガールズは、慈愛に溢れた聖母の姿に似ている――
雫「一つのジャンルに固執してしまってはダメだ。今回はとにかくがむしゃらにアニメを探していこう」
みやび「そうね! アニメ事業部の皆にもアニメのことを聞いてみましょう」
一青「今回は思い出の場所を再び訪れることでアニメのことを思い出そうと思う。行こう、セーラ」
セーラ「はい、イッセー」
マキ「ちょっと一青さん! どこへ行くの!?」
~さらに後日、再びその一室にて~
一青「では今回は私から表現しましょう」
(ガールズのキャプの栓を開ける)
一青「おぉ……」
一青「おぉぉ……」
一青「おおおぉ……!」
一青「幼かったあの日、私は寂しさに暮れていた。周囲の人間は何もかもを――私の求めた『愛』を当たり前のように持っているように思えた。しかしそんな私の傍らにも確かな『愛』はあった。私がそれに気がつけなかっただけなのである。私が成長した後も、そのことに気がつくことはできなかった。全てを諦めた私は、ずっとそこにあった"それ"が、目に入っていなかったのだ。そして彼女は、舞い散る羽の中で佇んでいる……」
ロベール「一青、お主の選んだガールズを表現してみせよ」
一青「私が選んだのは……」
セラフィーナ・パルニラ(「きみを愛する気はない」と言った次期公爵様がなぜか溺愛してきます)
一青「セラフィーナは良くも悪くも純粋な女性でした。彼女の身勝手な恋慕はユリウスには届かないが――しかし兄エルモはそうとは気づかずに彼女の家族への愛情に救われていた。彼女もまた、作品に登場する『愛』を確かに持つ人の一人なのです。私はそこに惹かれました。そう思えば家中を枕の羽でいっぱいにしてしまうシーンには、未熟さの残る彼女の可愛らしさが存分に発揮されている。しかし――彼女をガールズとして選んだことに、私の個人的な体験が絡んでいるのは否めません」
ロベール「うむ。それがお主の出した答えだというわけか。それでは雫よ、お主は何を選ぶ?」
雫「ああ。表現してみせるよ」
(ガールズのキャプの栓を開ける)
雫「見えるのは……砂漠。そして、光。太陽の光。眩しい! 身を焼かれるような危うさがある! どんなに時が経っても、その光は、その熱は揺らぐことがない。砂漠に夜は訪れない。太陽は自らの燃え盛る熱でもしかすると灰になってしまうのではないか。いや、違う、それこそが彼女の強さ、彼女の決めた道なんだ。いつしか砂漠には草木が芽生えている。鳥のさえずりが聞こえる。いや、歌もだ。歌が聞こえる。この歌は……」
言の葉が色づくたびに伝えなくちゃ!!!
どんな時代でも
大切なんだ、愛は衝動。
ロベール「雫よ、お前が選んだものを発表せい」
雫「俺が選ぶのは……」
宮永ののか(バンドリ! ゆめ∞みた)
雫「ただ愚直にガールズを追い求めた。その結果そこにあったのが、ののちゃんなんです。俺は自分のこの気持ちに正直に向き合う。それに、親父と昔一緒にアニメを見ていて、こう話していたのを思い出したんです。『自分はアニメの女の子だと胸が小さいほうが好きだが、しかし胸が大きい子を好きになった時、そこにはもしかすると"真実の愛"があるのかもしれない……』って」
マキ「バンドリなんてメジャーなアニメで安易なチョイスすぎるわ! 一青さんの選んだガールズはアニメへの深い造詣がないと出てこないものよ」
一青「……いえ、今回は雫の勝ちでしょう。私はガールズ選びに己の求めているものを重ねすぎてしまった。その点ののちゃんこそが、今回の『第6の使徒』にふさわしい」
セーラ「イッセー……」
ロベール「うむ。今回の勝者は雫とする!」
雫「よし!」
みやび「やったね! 雫さん」
雫「今日は早く帰ってアニメが見たいぜ!」
……
ロベール「……ふふ、こやつらはどんどん成長しておる。天・地・人・萌のアニメの真髄にここまで迫るとはな。見ておるか? 豊多香よ…… 」
商品リンク
クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者- 1巻 (LINEコミックス) 岩原裕二 (著)
転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 (角川スニーカー文庫) 雲雀湯 (著), シソ (イラスト)
「きみを愛する気はない」と言った次期公爵様がなぜか溺愛してきます(1) (ポラリスCOMICS) 水埜なつ (著), 三沢ケイ (著)
これはぼくたちの生存のあらすじ【Blu-ray付生産限定盤】[CD+Blu-ray] - 夢限大みゅーたいぷ
本記事の画像は全て、以下作品より引用。
『神の雫』 ©亜樹直・オキモト・シュウ・講談社/TVアニメ「神の雫」製作委員会
『クレバテス−魔獣の王と赤子と屍の勇者-』©Yuji Iwahara/LDF/クレバテスⅡ製作委員会
『転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 』©雲雀湯/KADOKAWA/「てんびん」製作委員会
『「きみを愛する気はない」と言った次期公爵様がなぜか溺愛してきます』©水埜なつ・三沢ケイ・フレックスコミックス/きみ愛製作委員会
『バンドリ! ゆめ∞みた』 ©BanG Dream! Project