the pillowsが解散しちゃったんだってさ
日記程度の内容なのだけれど、流石に日記用のnoteではなく個人サイトで書いておくべき話題だろう、と思ったので、ここを動かすことにする。
2月1日、the pillowsの解散が発表された。昨晩はツアーファイナルで、Zepp Yokohamaでピロウズのライブを見ていた。終演後にフォロワーさんと挨拶をして、僕はアニメオタクでフォロワーの方もそっち方面の方が多くて普段あまりしない、音楽の話とかを珍しくさせていただいていた。
「ピロウズもいつまで見られるかわかりませんからね」なんて話しながら別れたのだけれど。まさか翌日に解散が発表されるとは思わなかったな。
とはいえ、ニュースを見た瞬間は驚きよりも「ついに来たか」という気持ちのほうが大きかった。最近のピロウズの活動を振り返ると、ずっと年1ペースでコンスタントにリリースされていたオリジナルアルバムはここ数年出ておらず、新曲もめっきりなかった。ファンクラブのブログを読んでいると、メンバー間でズレがある的な話も結構見かけていた。
トライアル発売前にピロウズが活動休止したことがあったのだけれど、そのあたりのあれこれが完全には解消しないままここまで来たのだろう、というようなものも伺えた。だから、もしかするとそのうちに、こんな日が来るんじゃないか、そんな予感もあったような気もする。
昔山中さんは時々「これから新曲をやらなくなっても、昔の曲だけで一生ライブしたい」みたいなことを話されていた記憶がある。最近のピロウズのライブを見て「あの頃言ってた、昔の曲だけでライブやるのが、本当になっちゃったんだなぁ」とか、ちょっとだけ考えていた。でもピロウズのパフォーマンスはいつもカッコよくて、ライブはいつも楽しくて。ずっとこのままでも楽しいなと思っていたけれど、でもそれじゃダメだったのかもしれない。
ピロウズを聞き始めたのは確か『MY FOOT』が最新アルバムの頃だったから、かれこれ18,9年ぐらいはファンだったことになる。気がついたらピロウズの活動の中ではもう一応前半部分になっちゃうんだな。
当時の僕はBUMP OF CHIKIENをよく聞いていて、バンプの『ハイブリッドレインボウ』のカヴァーでピロウズを知った。その頃、同級生の友達にピロウズのファンがいるとかで、何曲か入ったCD-Rを焼いてくれて、それで何曲かピロウズ本人の曲を聞いた。『バビロン天使の詩』『ハイブリッドレインボウ』とかが入っていた気がする。特に『ストレンジカメレオン』には凄くインパクトを受けて、なんて凄い歌詞を書くバンドなんだろうと思った。曲を聞いていたらお母さんに「そんな暗いことばかり歌わなくてもいいのに」なんて言われたが、当時のロックキッズだった僕は「何もわかってないなぁ……」などと思っていた。後にも先にも、このタイプの衝撃をガツンと食らった作詞家の人って、山中さわおとMorrisseyぐらいしか自分の中では思い当たらない。
そこから何年か経って、オルタナとかインディーとかそういう海外のバンドとかを聞くようになったんだけど。元を辿っていくとこれってピロウズの影響だなと思うし、自分の音楽遍歴の中で間違えなくもっとも重要で大きなバンドがピロウズだった。
ピロウズの音楽は好きとかそういう感じよりも、もう血肉のように感じられていて。ライブを見に行くといつだって、彼らのグルーヴがスッと馴染んで、自然と体が動き出してしまって。一瞬で、ピロウズを聞き始めた頃のロックキッズの気持ちに戻ってしまう、そういう楽しさがあったし、同時に年を取ってロックのグルーヴの良さが、ガキだった頃よりはわかり始めてきたからこそ、受け取れるという良さもあった。
昨晩の横浜でのライブを思い出す。最後の『EMERALD CITY』の前に「これが最後の曲」って言われたの、当然今日のライブの最後の曲なんだなと思ったけど、まさか本当に"最後の曲"だとは思わなかった。
LOSTMAN GO TO CITYはマイナーな曲ばかりやるツアーで、いわゆるレア曲がいっぱい聞けてファン的には嬉しいツアーシリーズだった。昨日も『Ninny』とか大好きなB面曲で大興奮だったな。昨日は「今日はファニーバニーもこの世の果てもやらない!」とか言われて盛り上がってたけど、最後のライブとしては尖りすぎているセトリだよ。でも昨晩の、結果的には最後になっちゃったライブ、本当にただ楽しいだけで、そういう体験をさせてくれてよかったな。
MCでふいに涙を見せた山中さんの姿に、多分僕も他のファンの皆も各々感じる所があったんじゃないかなとは思うんだけど。でもコロナの発声禁止が終わった頃のライブとかでも山中さんは感極まってることがあって、ライブで時々そういう姿を見せる人だったから、どんな背景があってここにいるのかを想像することもなかった。サポートベースの宮川さんは、ピロウズへの感謝を話されていた。シンちゃんは、いつもみたいにくだらない間違え電話の話をしていて楽しかった。Peeちゃんもいつもみたいに真面目なコメントをやっていたけれど、しきりに客席を見て親指を立てていた姿が印象的だった。
最後にthe pillowsの三人がステージの前に出てきて終幕、この光景も案外ライブでは珍しいものだった。今振り返ると、全部最後の特別だったのかもなと、そういうことを考えてしまう。
久々の(本当に久々の)新曲の『Blank』、嬉しかったな。これもあったからこれからもっとまた色々聞けるのかなって思ってたけど、最後に出す曲ってことだったんだな。もちろんCDは物販で買ったけど。これを聞くのは明日にしようかなと思う。
きっと世の中にはピロウズ聞いてたけどあんまりライブに行ってない人とかもいて。そういう人はいきなり解散って聞かされて、お別れの機会もなくて寂しいんじゃないかなって勝手に思ってしまうこともあるんだけど。でも僕も昨日、本当に普段通りにライブを楽しく気持ちだけで行ってたから、ここを逃したらどんな気持ちになってたんだろうって、全然想像がつかないな。いいとか悪いとかじゃないけれど、最後に湿っぽくとか全然ならずにパーっと楽しい夜をやってスパッと終わりっていうの、ピロウズらしいなって思う。そういう感じのバンドだったよね。
僕もあんまり湿っぽくしてもしょうがないなと思って、解散のニュースを見てビックリしたけど思ってた通りの1日を過ごそうと思って、映画館に行って『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を見た。色々とヘンテコだけど楽しい映画で、テレビ放送が楽しみになった。『フリクリ』の鶴巻監督作品で、スマートフォンを落とすシーンに『フリクリ』のセルフオマージュみたいなものを感じた。米津玄師と星街すいせいの曲が流れて、当たり前だけど今風のカッコよさがある曲で、それ自体はもちろん全然文句とかあるはずもない、いい曲だったんだけど。でも今の僕は「やっぱり今はピロウズの曲が流れる時代じゃないのかもな」とか思っちゃって、ちょっと寂しくなっちゃった。
思えば『フリクリ』もピロウズが好きだったから見たアニメ作品だった。「ピロートークしましょ、ザ・ピロウズのトーク」「お前フリクリから入ったエセファンだろ!」なんて有名なネタがあるけれど、今となってはフリクリからのファンなんてだいぶ古参だし、僕がファンになったのはその更に後だ。当時は『フリクリ』に使われてる曲は知らない曲も多くて、こんなにいろんなカッコいい曲があるんだ、ってワクワクしながらちょっとずつアルバムを聞いてたっけ。若い頃に見た『フリクリ』も僕のアニメ観に結構な影響を与えてるわけだし、そう思うとピロウズに出会ってない自分の人生って、本当に考えられないかもしれない。
今日はとにかく楽しいことをしようと思って、その後お気に入りのインド料理のお店でビリヤニを食べて、スーパーで普段買わないような高いビールを2本買って、帰ってきた。でも自転車で走ってるとどうしてもただただ考える以外にやれることがなくって、ついついピロウズの曲を口ずさんでしまった。
気の利いたオチでもつけたいところだけど、全然思いつかないな。悲しいとかよくわからない、しょうがないことだしいずれ来ることだなと思ってたからそんなに悲しくはないんだけど、でもただただ寂しいよ。ずっと何回もライブに行ってたバンドのライブにもう行けないってさ。
今でも「ピロウズが解散しちゃったんだってさ」って、僕の中の違う誰かがそう言ってるんだけど、僕はイマイチそれがどういうことなのかよくわかってないよ。本当にワガママなファンとしての意見を言うなら、やっぱり昔の曲だけだっていい、次はMY FOOTとw!w!w!の再現ライブが見たいよ、とか思っちゃうんだけどさ。でも、一番続けたいであろう本人たちが決めた解散だったら、ファンとしては何も言えることはないんだよね。
今までありがとうございました。これからも多分いちばん好きなバンドです。
締め替わりに大好きな『Gazelle city』を貼って終わりにする。昨日聞けて嬉しかったな。
Come on,sunshine
Let’s be off
Come on,sunshine
I’ll walk your home
Come on sunshine
Let’s be off
(But Maybe I’m sleeping yet)Gazelle city / the pillows